和菓子と真鍮のきらめき/hagumuのバングル
PASS THE BATON MARUNOUCHIは、天井の高い小さな空間に新旧のアクセサリー、服やバッグ、うつわ類などが並ぶ「現代のセレクトリサイクルショップ」PASS THE BATONの一号店。
NEW RECYCLEをコンセプトに、
個人から集めた想い出の品物や、
すごく愛用していたけれど今は使わない、でも捨てるのは惜しい。
そんな品物を、大切に使ってくれる次の方へ、
持ち主の顔写真とプロフィール、
品物にまつわるストーリーを添えて販売します。高級品や低価格な品物だけを販売する
従来のリサイクルショップではなく、
個人のセンスで見いだされた品物や、
使っていた人物の人となりが伝わる品物を扱う
新しいリサイクルショップです。
仕切られたコーナーごとに色々な上等なものが少しづつある、例えるなら松花堂弁当のようなお店(語弊があるかもしれませんが)。店内の品物を見るのがとても楽しく、東京駅から徒歩圏内なのも便利でよく立ち寄ります。
***
昨年見るたびに気になっていた、真鍮や緑青のモチーフが付いたアクセサリーのコーナー。モチーフは千鳥、梅の花、松、亀、ひょうたん、といった型取りがされています。
松とか亀まであるとは、純和風なコンセプトなのかな。
コーナーの解説文を見ると「hagumu(育)」というブランドで、和菓子の抜き型で型を取っているとのこと。
……和菓子の型!
そこからアクセサリーにするなんてちょっと思いつかない発想です。しかもそれが案外ちょうどいい大きさ。
その中でひとつだけ、何の形なのかわからないモチーフがありました。和菓子というより紋章にでも使われていそうな、りりしい形。いいなあ。これなんだろ?
手に取ってタグを見たら「かきのへた」とありました。
??
かきのへた……
そっか!
柿を模した上生菓子に乗っている、あの「へた」の部分ですかー。
秋の上生菓子が華やかな季節です
— 喜久屋 (@NodakkoKikuya) 2016年10月7日
練切製の柿も青柿から始まり 良い色合いになってきました
この他にも菊の花や生栗から仕込んだ栗餡の「栗三昧」など 種類多くご用意し 皆様のお越しをお待ちしております pic.twitter.com/4In1a0NSuK
この形!
あの格好良い姿が「かきのへた」だったとは、ますます意外です。
せっかくなので好奇心から試着してみたところ手首にしっくり収まる気がして、それから行くたびに悩むこと数回。その間、コーナーにある他のアクセサリーも少しずつ減っていきます。
これだけ気になるんだ、やっぱ買おう!今年頑張ったし!と、年の瀬に(やや強引に)思い立って購入しました。
シルバー系とゴールド系のアクセサリーは同時に着けるとコーディネートがバラける気がするので、どちらか一方にまとめるのですが。このバングルはどちらの色味のアクセサリーにも合わせやすいのが、使い始めて気付いた良いところ。
コーナーにはシルバーのバングルや指輪の他、カラフルな帯締めの組紐に真鍮のモチーフが付いたブレスレットも並んでいました。着物に合わせても可愛いだろうなー。公式サイトに写真があります。
ちなみにこれらのアクセサリーそのものはリサイクル品ではありません。
使われなくなった銅葺瓦や、真鍮製品の端材を素材として使用しています。
(公式サイトより)
とあり、きっとその出自がこのお店のコンセプトと合致していて取り扱っているのだろうなと思います。
***
またPASS THE BATON MARUNOUCHIには、昨年あたりからかな、アクセサリーの私設美術館「ACCESSORY MUSEUM」提供のシルバーアクセサリーを量り売りするコーナーもありまして。
先日、雨の中PASS THE BATON丸の内へ。ACCESORY MUSEUMさん出品のシルバーアクセ量り売りコーナーが出来てて足止め。1g1000円、ピアスは片耳1gもないものが多いようで。ニコニコと何度も秤に載せてくれたスタッフさんとの会話も楽しい買物でした pic.twitter.com/d6DEiX108Q
— 15 (@1538th) 2016年9月26日
見て、手にとって、量ってもらって……という流れが楽しくて、結構買ってしまいました。こちらも重宝しています。
行くたびに品揃えが変わるのも、リサイクルをメインに扱うお店ならでは。様々な時代の品物たちを見に、また行きます。
***
このPASS THE BATONやSoup Stock Tokyoを手がける会社「スマイルズ」の社長の本も面白いです。もし今自分が就活生だったら採用試験に申し込むだろうな、と思う魅力的な仕事の仕方。