日々えらぶもの

おもに実際にえらんだもの、触れたものについてあれこれ

7月17日にだけ会えるお菓子/たねや の ぎおんさん

今日は、撮って出し。

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和菓子屋さん「たねや」では、販売日が限られているお菓子もひととおりwebでお知らせしています。

そこから知る季節の歳事や、地域ならではの歳事も多く
食い道楽な身としては、おいしいお菓子で楽しみながら学ぶ機会です。


7月17日にのみ販売されるお菓子「ぎおんさん」
商品ページを見ると、麩まんじゅうではありませんか…!

 

麩まんじゅうは、生麩の皮で包まれているおまんじゅう。→Wiki 

関西に来てから知って、好物になったもののひとつ。
関西のほか愛知・石川などで作られているようで、たしかに金沢でもよく見かけます。

 

これは食べてみないと。
販売日の7月17日を待って、買ってきました。

お店での「少し冷やしてから召し上がるのが特においしいです」とのアドバイスに従い、冷蔵庫で冷やしてから開けます。

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5個入りで864円。
日持ちは1日(当日中)


麩まんじゅうは生菓子なので日持ちしません。
良いタイミングを狙って地元への手土産にしたいのですが、なかなかの難易度です。

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このお菓子「ぎおんさん」の由来が記載されています。

(上記リンクの商品ページと同じ文章ですが、販売終了後にページが閉じられることもあるので引用します)

祇園祭のはじまりは、千年以上むかしにおこなわれた疫病除けの法会(ほうえ)と伝えられています。
目に見えない病や災いが今よりずっと恐れられた時代。
人々の支えとなったのは力ある神様にまつわる故事や言い伝えでした。

祇園祭に見られる「蘇民将来之子孫也」のお札もそのひとつ。
八坂神社の御祭神素戔嗚尊(すさのおのみこと)が、はるかむかし諸国を旅していた折、
一夜の宿を供した蘇民将来に、子々孫々まで健やかなれと願いをこめて授けた護符とされています。

ゆかしい守り札とともにお届けする「ぎおんさん」は、 祇園祭にちなむ厄除招福のお菓子です。
笹の香りもさわやかに、こし餡を瑞々しい生麩で包んだ麩饅頭で、みなさまの無病息災をお祈りいたします。

 ――「ぎおんさん」商品ページより

 

お札を外して、祇園祭の由来にふむふむと頷きつつ開けます。祇園祭のハイライト「山鉾巡行」が今日なのですね。

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爽やかで深みのある笹の香りが鼻孔をくすぐります。
紐をほどいて、しっとりした葉の包みを開けると

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一口大の麩まんじゅうとご対面。
生麩のむにむにした感触が、たまりません。
慌てずゆっくり葉から外すと、きれいにはがせます。

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中身はこしあん。
もちもちした皮と、なめらかなあんこの食感を楽しみます。


うーん、おいしい。
麩まんじゅう自体おすすめで、間違いないおいしさです。


そして「祇園さん(=八坂神社)」と「祇園祭」にまつわる和菓子を調べたところ各種あるようですが、どれも元々の「疫病退散」「厄除招福」といった由来を改めて伝える、という意味も乗せて販売しているのだろうなあ…と思うのでした。


また和菓子でお勉強しないと。

あるバンドのファンのお買いもの/マリーさんの指輪

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THE YELLOW MONKEY 初期のアルバム
 2nd「未公開のエクスペリエンス・ムービー」(1993年作)

  


 3rd「jaguar hard pain」(1994年作)
  

この2作のジャケットに写っている指輪のお話。

 

当時の作品や活動は音楽誌で「シアトリカル」と評され、特に物語性の強いコンセプトアルバム「jaguar hard pain」は、強い自信と独特な美意識を燃えたぎらせたような濃い作品でした。

この頃、吉井さん扮する「マリー」という、憂いを含んだ女性が作中やライブに登場します。彼女のトレードマークは黒いロングドレスと帽子、そして大振りな指輪。

 

◆マリーさんが登場するMV


THE YELLOW MONKEY「アバンギャルドで行こうよ」 - YouTube

 

◆ライブでバラードを歌うマリーさん

 

きっと高いものなんだろうなーと思っていましたが、同じデザインのものを新宿の手芸用品店「オカダヤ」で売っていたと知ります。それは意外。

バンドが既に解散した後の2007年頃、まだあるかな?と興味本位で売場に行ってみました。


昭和の名残があるビル、案内板に掲げられた大量の分類から「服飾館」の「ステージグッズ&メイク」フロアに当たりを付けて入店。

舞台用のメイク道具、血のり、つけひげ、仮面、天使の翼、照明に映えるべく実際の宝石よりギラギラしたアクセサリー…商品の種類と量に圧倒されます。

 

マリーさんの指輪は、ステージ用アクセサリー売場に大小2サイズ/4色くらい並んでいました。大きいほうが実物と近いサイズのようですが、緑色は小さいほうしか見当たりません。

ベテランぽい店員さんに尋ねます。

「ああー、それ。歌手の人が使ってたとかで買いに来る方が多くて。最近はあまり訊かれないけどね」
その色・サイズだけよく売れたため、製造元にも在庫が無いとのこと。

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本物も偽物も、綺麗なものもそうでないものも沢山ある新宿の、雑多なお店で。

確証はありませんが、もし実際に使われているのもこの指輪だとしたら、ご本人かスタイリング担当の方が宝探しのように選びだしてドラマティックに使っていったのだなあ。
そして、何人ものファンがここに買いに来たんだろうなー。
しみじみ思いを馳せました。

 

当時の作品には「死んだら新聞に載るようなロック・スターに」なんて歌詞もあり。大風呂敷広げてる~と思ってたけど、それを成し遂げていく姿も見ていったので…

その野心、私も持っていたい。
小さいほうの指輪を購入しました。


ギラッとしたこの指輪を身に着ける機会はほとんどありませんが
野心や折れてもまた立ち上がる姿勢を思い出させてくれるようで、日々目にする場所に置いています。

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ちなみに、ロンググローブと指輪をコスチュームジュエリーっぽく合わせて遊びに出たことが一度あります。

その日は、好きなイギリスのロックバンドに偶然遭遇したり。

初対面の方と、同じインディーのロックバンドに関わったことがあることが判明したり、しかもそのバンドにお互い思い入れが強くて良さを語り合うなど。

ストレスでくたびれていた心身に、新鮮な刺激を注がれました。

そんな幸運のアイテム。

大人向け花火であそぼ/筒井時正玩具花火製造所 の 東西の線香花火

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「線香花火」で主にイメージするものが、東日本と西日本ではけっこう違う って、ご存知ですか?東北人の私は大阪に引っ越して来るまで全く知りませんでした。

その違いを楽しめる、ふたつの線香花火を見つけました。

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箸箱のような大きさの箱に入った、それぞれの線香花火。それぞれ15本入りで400円(税抜)。

福岡県みやま市筒井時正玩具花火製造所で作られたものです。

いま国産の線香花火の製造所は三社、そのうちこの二種類の線香花火を両方とも作っているのはこちらの製造所のみ、とのこと。

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西日本で馴染み深い「西の線香花火 スボ手牡丹」。

こちらが300年前からの線香花火の原形だそうです。持ち手がワラでできていて、火薬が固めてあります。

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こちらは東日本で馴染み深い「東の線香花火 長手牡丹」。

火薬を和紙で包み、ねじってあります。こちらのほうが燃焼時間が長め。

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箱の背中にも説明がありますが、製造所のページにはより詳しい内容が掲載されていますので、ぜひリンク先にも飛んで頂けたらなーと思います。

美しい細工が施されて桐箱に入った高級な線香花火(もったいなくて、とてもとても使えそうにありません)などもあり、店頭で現物を見て惚れぼれしてきました。

 

夏になったら、夕方か夜の散歩がてら、線香花火とマッチとごみ袋を持って公園へ。というシチュエーションを想像しながらのお買いものでした。箱が小さいので、ご近所デートのときにバッグに忍ばせておくのも良いかも。

早めに買ったので、梅雨の間、湿気らないように保管しておきます。

 

主な取扱店はこちら

上記リンク先には掲載されていませんが、大丸心斎橋店・Francfranc内のJ-PERIODコーナーで購入しました。

J-PERIOD自体「日本の美と現代のスタイリング」を銘打っているお店で、「伝統の技術×シンプルで味のあるデザイン」と言える品揃えが気になっています。

国産のもの、質の良いもの、シンプルなもの、こんな言葉が引っかかる方におすすめです。

 

 

見とれてきたものは、こちら。

ワインと同様、線香花火も「熟成」によって味わいが深まります。

時を経た線香花火は、どこかやわらかく、温かみのある火花を散らします。

 という商品案内も気になるところです。初耳!

 

日常にささやかな変化と安心を貼ります/ICカード用ステッカー 各種

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電車通勤の方は大体持っている、SuicaPasmoなどの交通系ICカード

 

定期の機能を付け加えることができるのですが、ICカード表面にでかでかと印字されてしまうのがちょっと残念。カードを取り出したとき、通勤経路が見えてしまうのが気になったりもします。

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(画像:日経トレンディの記事より引用)

お財布やパスケースに入れたままでも使えることが多いので、使い方次第ではありますけどね。

 

6~7年ほど前に渋谷で見かけて、目隠しにちょうどいいなーと買ったのが、絵本「はらぺこあおむし」のICカード用ステッカー。

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カード自体がかわいくなるし、定期の印字が隠れるのですっきり。

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つくりも丈夫で、ある程度貼ったりはがしたりすることも可能。

いまは大阪にいるので、定期利用している「Pitapa」に貼っています。

 

 

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こちらは、京都の写真作家・訓子さん作のステッカー。

 

心斎橋の東急ハンズSTANDARD BOOK STOREで見かける彼女の写真雑貨は、デザインも色味も気になるものが多くて。さんざん迷って2枚購入してみました。

毎日見るものだからか、貼り替えると意外と気分転換にもなります。夏は涼しげなほう、秋は深い色味のほうにしてみようかなー。

「IDカードステッカー(ドレスステッカー)」としてオンラインでも購入可能。商品一覧を見てたら買い足したくなってきたので…ゆっくり検討します。

 

上記3種とも、1枚300円弱。手軽で愉しい買い物になりました。

 

※定期の購入・更新などの手続きをする際にはシールをはがして機械に通さないと、エラーが出たり、シールの上に印字されるなど悲しいことになりますのでご注意ください(経験しました、反省)。

 

こんな柄も良いですね。

すべらない贈答品の手札に、お麩のおすまし/不室屋 の 宝の麩

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こちら、左がおすまし・右がお味噌汁の詰め合わせです。

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見た目は完全に「もなか」ですが、製造元「不室屋」は金沢のお麩屋さん。もなかの皮はお麩(ふやき)でできていて、その中に具が入っています。

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右側、お味噌汁には別袋のお味噌のぶん厚みがあります。 

 

季節限定のおすまし「ひとひら」つくってみましょう。

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小袋の昆布だし粉末をお椀に入れて、ふやきの中央を軽く押して穴を開け、これもお椀へ。

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お湯を注いでかき混ぜると、ふやきの穴からどんどん具が出てきます。

割る前のシンプルな見た目と、具が出てきたときの鮮やかさとのギャップが目を楽しませてくれます。

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できあがり。

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お椀内の右上、桜の花も一輪入っていました。春ですね~。

そしてふやきを口に含むと、こうばしい香りと、とろけたお麩のもちもちした食感に驚かされます。皮だった部分がメインの具材にもなるという面白さも。

 

お値段は1個200円前後で、お店では1個単位から贈答用の詰め合わせまでバリエーションあり。

老舗なので包装がシブく、改まった場や目上の相手に対しても浮きません。その割には意外と若者にも喜ばれるので、ストライクゾーンが相当広い贈り物なのではないかなーと感じています。確かにレトルト並みの手間でできるおすましやお味噌汁って、家にあると嬉しいですね。

 

また私の本籍が石川県にあるので、ここ数年は石川県産のおくりもの候補を着々と心のリストに加えています。

出身地や本籍地、赴任地など、ご縁のある土地のものを知っていると話の種になりますし、自分の定番として何度も使える心強い手札になります。

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不室屋の店舗は金沢市内のほか、東名阪の百貨店などに。公式サイトでは各地で行われる物産展への出店日程も確認できます。オンラインでも購入可能。