<追記あり>グラス?ビーカー?インドのまっさらなガラス器/VISION GLASS
前のエントリ、VISION GLASS NO PROBLEM展で悩んで購入したのは145mlの「SS」と105mlの「GLASS KATORIE SMALL」。
「SS」はパウンドケーキなどの型にしてオーブン調理できる!という衝撃的特徴の写真(リンク先ページ、中ほど)が気になり、このサイズでいずれなにか焼いてみようかと思って。「GLASS KATORIE SMALL」は浅さと小ささがアクセサリートレイに良さそう、と思っての購入です。
展示された5000個の中から取り出したみっつ。
底面のチャームポイントであるロゴ。入りかたがそれぞれ違うのを選んでみました。
よーく見るとほんの小さな焦げやキズが見当たりますが、それを了承の上で選んでいますし、ふつうに使う分には全然気になりません。
「SS」はグラスとして使うには小振りで、湯呑み茶碗にも近い大きさ。これで飲みたいものがあり、最初の使い道は…
焼酎をロックで。
ふつうのロックグラスは少し大きく感じることがあって、これだとちびちび飲むのにちょうど良い。薄手のガラスと氷が当たる澄んだ音、このあたりは「うすはりグラス」にも近いかも。
実用面でも、容量が限られる据え置き型の食洗機に気兼ねなく入れる事ができるサイズ。耐熱性も◎、ただし熱い飲み物を入れるときにはフェルトスリーブなどがあるほうが良さそうです。
「GLASS KATORIE SMALL」は小物入れに。灰皿にもできるサイズですね。
ちいさな花活けにも。
まだまだ思い浮かびそうです。
購入は直営店(営業日・時間限定とのこと)、オンラインショップ、全国の取扱店で。
サイズの選びかたが悩ましいですが、使い道をあれこれ考えながら少しずつ買い足す楽しみがあるうつわです。
2017/10 追記
記事を書いてから2年、グラスとして日々使っています。
そういえば加熱調理してみていないぞ?と思い、マフィンを焼いてみました。
耐熱ガラスとはいえドキドキしながらのオーブン調理でしたが、ばっちり焼けました。
茶碗蒸しにも良いかも。
どシンプルなグラスの問題提起/VISION GLASS NO PROBLEM展に行ってきました
天気が荒れ気味の10月1日、御徒町へ。TimeOut Tokyoの記事で興味を持った「VISION GLASS」の展示を観に行きました。
ネジの商社とか金属パーツのお店が並ぶ一角、このへんかなあ…と一度通り過ぎて戻って、控えめな入口を発見。
階段とエレベーターを使って6階の会場へ。真っ白に塗られた部屋に入ると、
すんごい量!およそ5000個のグラスによるインスタレーション。きらきらと宝の山のようで見惚れます。
このVISION GLASSはインドの理化学機器メーカーBOROSIL社の製品。主にビーカーやフラスコといった実験用ガラス製品を生産しているメーカーだそうで、とにかくシンプルな筒型の形状と耐熱性を身上としています。
特に耐熱性については、直火OKで一人前のごはんも炊けてしまう(!)、オーブンでお菓子などを焼く型にもなる(!)と、にわかには信じがたい特徴があり。そのあたりも気になってお伺いしました。ここはその輸入をしている会社の事務所/倉庫/直営店(不定期営業)。
製造工程の図解が吊られたパネルと、その下に並ぶ「市場に出さないグラス」の主な種類。上下交互に見ていって、ほおー、この工程でこのキズが…と検品気分で眺めはじめます。が、すぐ面白くなります。
キズのネーミングがもう、ひとつひとつ可愛くて。
特にこの「ロゴ位置不備」なんて、グラス底面に印字されるはずのロゴがこんな位置に。「要因:人為的ミス / オートメーション化により絶滅の可能性」とのこと。もうチャームポイントにしか見えません。
来場者の少ない時間だった事もあり、スタッフの方々が色々解説してくださるのも楽しい。その説明や展示の言葉のセンスからにじみ出る愛情というか思い入れに触れていると心地良くなってきます。
そしてほかの展示も見たのち、出口近くに置かれた文章に目が向きます。
VISION GLASS を製造するインドのBOROSIL社では日本向け専門の検品チームを揃え、特別厳しい基準を設けています。インドでそれほど慎重に選ばれているにもかかわらず、日本の市場には出し控えるものがまだまだあるということです。日々、私たちの目の前に積まれてゆく「市場に出さないグラス」はインドの価値観と日本のそれとの狭間で行き場を失ったグラスであり、その量の多さは狭間の大きさを示しているのです。
厳しさによって生まれる価値があります。厳しさによって生まれる無駄があります。2年間で私たちの倉庫に溜まったVISION GLASS NO PROBLEM を眺めることで、物の価値に対する自分自身のものさしについて、考えてみたいと思います。
----- 「NO PROBLEM | VISION GLASS」より
ピカピカ/キズあり、新品/アンティークやヴィンテージ、 ノープロブレムの線引きやどれを選び取っていくのかはひとそれぞれ。同じ製品にもこんなに違いが生まれる。ここに並べられたグラスの数々、わたしにはとても魅力的でした。
最後に購入できるグラスがあるか尋ねると「はい!この中からご希望ありましたら定価でお買い上げ頂けます」
え!この中から…! 再度、宝の山とじっくり向き合います。
購入品については、また別のエントリで。
10/6 追記 : こちらに書きました
グラスを見つめ続けた数十分間は驚きと発見の多い楽しい時間でした。
展示は10月7日まで、入場無料です。
すっきり使える優秀な麦茶ボトル/Francfranc の ティーボトル
ひっさびさの更新です。
ブログを始めたての頃に取り上げたものについて、もうすこし詳しくリライトしてみます。
こちらが使用している深緑色のボトル、2012年の夏に購入。現行品と大体同じかな?現在この色は取扱いないようです。
ワインボトルより一回り太く、容量は1100ml。軽量で、中身がフルで入っていても女性が片手で扱えます。
ラベルのシールを貼ったまま使っていたのですが、これを機に剥がそうかと。
より、すっきりした見た目になりました。
分解するとこれらのパーツに分かれます。
ボトル部分と注ぎ口部分のパーツが太い位置で分解できるので、洗う際にボトルの底まで手が届きます。
ふつうの麦茶ボトルは内側の角の部分に茶渋が残ってしまったり、細いボトルだと底まで手が届かなかったりで、隅々まで洗うのが大変なものが多く。これは使ってみて便利さに気付きました。
ボトルを洗いやすくするため、ボトルの胴体部分の上部を太めに、下部を細めにデザインしている。また、下部を細くしたことで、ボトルを握りやすくなった。---「自宅エコ」を実現するティーボトルは、「プチ贈り物に最適」 | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉:日経BPオールジャンルまとめ読みサイト
ボトルの形状のほかにも、倒しても中身が漏れにくいなど、デザインの何気ないところにもに気が利いているとの分析記事があります。ストレスなく使えているのは、幾多の工夫があってこそなんだなー。
さ、麦茶が入りました。こんな暑い日はごくごくいきましょう。
水出しの紅茶をゆっくり作るのもいいですね。
このボトルはフランフランのお店や公式通販サイトで買うことができます。
また、ガラスメーカーのHARIOには耐熱ガラス製のティーボトルがあります。こちらも気になってフランフランと使い比べてみたところ、うーん、一長一短。好みや使い方によって優劣が変わってくるので、いずれ比較記事を書こうかと思っています。
7月17日にだけ会えるお菓子/たねや の ぎおんさん
今日は、撮って出し。
和菓子屋さん「たねや」では、販売日が限られているお菓子もひととおりwebでお知らせしています。
そこから知る季節の歳事や、地域ならではの歳事も多く
食い道楽な身としては、おいしいお菓子で楽しみながら学ぶ機会です。
7月17日にのみ販売されるお菓子「ぎおんさん」
商品ページを見ると、麩まんじゅうではありませんか…!
麩まんじゅうは、生麩の皮で包まれているおまんじゅう。→Wiki
関西に来てから知って、好物になったもののひとつ。
関西のほか愛知・石川などで作られているようで、たしかに金沢でもよく見かけます。
これは食べてみないと。
販売日の7月17日を待って、買ってきました。
お店での「少し冷やしてから召し上がるのが特においしいです」とのアドバイスに従い、冷蔵庫で冷やしてから開けます。
5個入りで864円。
日持ちは1日(当日中)
麩まんじゅうは生菓子なので日持ちしません。
良いタイミングを狙って地元への手土産にしたいのですが、なかなかの難易度です。
このお菓子「ぎおんさん」の由来が記載されています。
(上記リンクの商品ページと同じ文章ですが、販売終了後にページが閉じられることもあるので引用します)
祇園祭のはじまりは、千年以上むかしにおこなわれた疫病除けの法会(ほうえ)と伝えられています。
目に見えない病や災いが今よりずっと恐れられた時代。
人々の支えとなったのは力ある神様にまつわる故事や言い伝えでした。祇園祭に見られる「蘇民将来之子孫也」のお札もそのひとつ。
八坂神社の御祭神素戔嗚尊(すさのおのみこと)が、はるかむかし諸国を旅していた折、
一夜の宿を供した蘇民将来に、子々孫々まで健やかなれと願いをこめて授けた護符とされています。ゆかしい守り札とともにお届けする「ぎおんさん」は、 祇園祭にちなむ厄除招福のお菓子です。
笹の香りもさわやかに、こし餡を瑞々しい生麩で包んだ麩饅頭で、みなさまの無病息災をお祈りいたします。――「ぎおんさん」商品ページより
お札を外して、祇園祭の由来にふむふむと頷きつつ開けます。祇園祭のハイライト「山鉾巡行」が今日なのですね。
爽やかで深みのある笹の香りが鼻孔をくすぐります。
紐をほどいて、しっとりした葉の包みを開けると
一口大の麩まんじゅうとご対面。
生麩のむにむにした感触が、たまりません。
慌てずゆっくり葉から外すと、きれいにはがせます。
中身はこしあん。
もちもちした皮と、なめらかなあんこの食感を楽しみます。
うーん、おいしい。
麩まんじゅう自体おすすめで、間違いないおいしさです。
そして「祇園さん(=八坂神社)」と「祇園祭」にまつわる和菓子を調べたところ各種あるようですが、どれも元々の「疫病退散」「厄除招福」といった由来を改めて伝える、という意味も乗せて販売しているのだろうなあ…と思うのでした。
また和菓子でお勉強しないと。
あるバンドのファンのお買いもの/マリーさんの指輪
THE YELLOW MONKEY 初期のアルバム
2nd「未公開のエクスペリエンス・ムービー」(1993年作)
3rd「jaguar hard pain」(1994年作)
この2作のジャケットに写っている指輪のお話。
当時の作品や活動は音楽誌で「シアトリカル」と評され、特に物語性の強いコンセプトアルバム「jaguar hard pain」は、強い自信と独特な美意識を燃えたぎらせたような濃い作品でした。
この頃、吉井さん扮する「マリー」という、憂いを含んだ女性が作中やライブに登場します。彼女のトレードマークは黒いロングドレスと帽子、そして大振りな指輪。
◆マリーさんが登場するMV
THE YELLOW MONKEY「アバンギャルドで行こうよ」 - YouTube
◆ライブでバラードを歌うマリーさん
きっと高いものなんだろうなーと思っていましたが、同じデザインのものを新宿の手芸用品店「オカダヤ」で売っていたと知ります。それは意外。
バンドが既に解散した後の2007年頃、まだあるかな?と興味本位で売場に行ってみました。
昭和の名残があるビル、案内板に掲げられた大量の分類から「服飾館」の「ステージグッズ&メイク」フロアに当たりを付けて入店。
舞台用のメイク道具、血のり、つけひげ、仮面、天使の翼、照明に映えるべく実際の宝石よりギラギラしたアクセサリー…商品の種類と量に圧倒されます。
マリーさんの指輪は、ステージ用アクセサリー売場に大小2サイズ/4色くらい並んでいました。大きいほうが実物と近いサイズのようですが、緑色は小さいほうしか見当たりません。
ベテランぽい店員さんに尋ねます。
「ああー、それ。歌手の人が使ってたとかで買いに来る方が多くて。最近はあまり訊かれないけどね」
その色・サイズだけよく売れたため、製造元にも在庫が無いとのこと。
本物も偽物も、綺麗なものもそうでないものも沢山ある新宿の、雑多なお店で。
確証はありませんが、もし実際に使われているのもこの指輪だとしたら、ご本人かスタイリング担当の方が宝探しのように選びだしてドラマティックに使っていったのだなあ。
そして、何人ものファンがここに買いに来たんだろうなー。
しみじみ思いを馳せました。
当時の作品には「死んだら新聞に載るようなロック・スターに」なんて歌詞もあり。大風呂敷広げてる~と思ってたけど、それを成し遂げていく姿も見ていったので…
その野心、私も持っていたい。
小さいほうの指輪を購入しました。
ギラッとしたこの指輪を身に着ける機会はほとんどありませんが
野心や折れてもまた立ち上がる姿勢を思い出させてくれるようで、日々目にする場所に置いています。
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ちなみに、ロンググローブと指輪をコスチュームジュエリーっぽく合わせて遊びに出たことが一度あります。
その日は、好きなイギリスのロックバンドに偶然遭遇したり。
初対面の方と、同じインディーのロックバンドに関わったことがあることが判明したり、しかもそのバンドにお互い思い入れが強くて良さを語り合うなど。
ストレスでくたびれていた心身に、新鮮な刺激を注がれました。
そんな幸運のアイテム。